夢幻から覚醒へ
意識が朦朧としている。
暖かくなってくると同時に、色々な鉄騎たちが春を待ち侘びたように走り始める。
鉄騎の背に乗っている人の性格にもよるのかもしれないが、走り始めた鉄騎の中には、少しだけ、品の悪い雰囲気を持つものもいるようだ。
できることなら、気品のある鉄騎になって駆け回るのがいい。
以前見たことのある天馬が、騎士を乗せずに空を駆けていた。
契約が切れたのか、それとも何らかの理由で騎士と別れた自由鉄騎になったのか。
手をさしのべてみたが、天馬は気づかずに地平線の向こうに消えてしまった。